野々上仁 / Jin Nonogami
株式会社ヴェルト代表取締役
三菱化成を経て1996年に、当時シリコンバレーを代表するIT企業だったサン・マイクロシステムズに入社。同社がオラクルに買収されてからは、執行役員としてシステム事業部を統括する。2012年に独立し、ヴェルトを設立。“技術革新だけでなく、技術との付き合い方を革新する”ことをテーマに、ハイブリッドスマートウォッチ「VELDT SERENDIPITY」を発表。19年にはシチズン時計と提携し、腕時計を起点にヒト・モノ・コトを有機的につなぎ、新たな“時”の体験を提供するIoTプラットフォーム「Riiiver」のサービスを開始した。同年11月よりRiiiver対応のラグジュアリー新モデル「VELDT LUXTURE」の世界展開を開始。
──野々上さんはどのようなシチュエーションでドレスクロージングは身に着けますか。
スーツやジャケットといったものはクライアントであれ、展示会であれ、周囲の人に自分がどういう人間であるかを示すときには欠かせものないだと思っています。また、誠意や真剣さを示すという意味でも重要です。オフィスで過ごすときは基本的にデニムにTシャツのような軽装がほとんどなので、スーツを着ると気が引き締まります。
──普段どれくらいの頻度でドレスクロージングを身に着けますか。
時期によりますが、海外の格式高い時計の展示会などに参加するときは、毎日身につけるときもあります。とはいえ、夏場で開発に集中しているときはラフな格好がほとんど。目的によりますが、頻度でいえば多からず少なからず、といった感じです。
──その際、気をつけていることはありますか。
サイズ感ですね。ファッションだけではなくて、ルーズなものはあまり好きではありません。体にフィットするアイテムを身に着けるのをいつも心がけています。私は身長175センチ、体重60キロ弱ですから、体型的にはいわゆる中肉中背。既製品のMサイズをスマートに着こなせるように、体型維持に努めています。
──トゥモローランドのドレスクロージングについてどのような印象をおもちですか。
微妙な色合いのジャケットなど、自分では選ばないようなカラーリングのアイテムがあって、多くの発見があります。先日、お店に行ったときに明るい肌色のようなジャケットがあって、ほかではあまり見ないような色でした。お洒落に慣れていない人がどう思うかはわかりませんが、僕は妙に惹かれてしまって……。そういう気づきを与えてくれますね。
──たまに色や柄で遊んでみるのも面白いですよね。
地味な色でもいいと思うのですが、そのなかにも微妙な違いはありますよね。逆に、赤のジャケット着るか、といわれたら着ないですから。ちょうどいい塩梅で、これはいい色合いだなって思ったら買ってしまいます。そうやって購入したものは使い続けることが多いですね。使い出したら使い倒すというか、ジーンズなどもそうですが、実は20年以上愛用しているものもあります。自分ではセルフヴィンテージと呼んでいるのですが、穴が開いてもお直しして、使い続ける。車も潰れるまで乗りますしね。それがいわゆる”味”になってくると思うので。スーツも長年、着ているものがいくつかあります。
──ネクタイやシャツの合わせ方で工夫していることはありますか。
若いころは派手なシャツとネクタイで主張してみたこともありました。会社員時代はわりとコーポレートカラーを身に着ける人が多かったので、逆張りで対向色のVゾーンにしてみたりしていました(笑)。その感覚は今でも残っていて、スーツを着るときは自由な色合わせを心がけています。白シャツを着るにしてもグレイではなくシルバーのネクタイを合わせたり、堅い雰囲気にまとまってしまわないように変化をつけています。
──今日、着用したスーツスタイルについてはどのような印象をもたれましたか。
普段はブラック、ネイビーのスーツが多いので、グレイのスーツは久しぶりです。髪の色がグレイなので、自然となじんで見えますね。ブラウンのVゾーンも新鮮。自分ではやらないような色合わせで、参考になりました(笑)。動きやすさ、着心地も申し分なく、仕立てのよさを感じます。
──カジュアルなスタイルについてはどのように感じましたか。
コーデュロイはカジュアルなイメージがあったのですが、セットアップで着ると上品に見えますね。インナーのグレイのハイゲージニットはよく着るアイテムなのですが、いつもはそこに同色のトラウザーズなどを合わせることが多いんです。コーデュロイならくつろいだ雰囲気を演出できますし、上下共地だから適度にきちんとした印象も適度にあって、これはこのまま真似したいと思いました。
──ドレスクロージングにおける、自分流のスタイルを教えてください。
いわゆるサラリーマン時代は、やはり他人の目を気にするという意味で、服も髪の色もきちんとする必要がありました。今は自分の会社ですし、自分のスタイルを貫くということが重要だと思っています。気にするというか、気にしないということですよね。他人にどうこう言われるのを気にするよりも、「野々上さんらしいよね」と言われるように見た目もスタイルにもこだわる。”いい加減”も中途半端じゃダメなんです。タイドアップしたら足元は革靴だし、アンタイドなら足元もイージーなほうがいい。目的に合わせてメリハリをつけたスタイルを心がけています。